
こんにちは、KAORU(@myblu_41)です。
RICOHのGRシリーズは、僕にとって単なるカメラではなく「日常をを共に歩む道具」のような存在。ポケットにすっと収まるサイズ感なのに、本格的なAPS-Cセンサーを搭載し、日常のなにげない瞬間を軽快に切り取ってくれる。そんな相棒として1年ほど使っています。
2025年、待望の最新モデル「GR IV」が登場しました。新しい技術が詰め込まれ、進化した部分も多いですが、ここで注目したいのは「ひとつ前のモデルであるGR IIIxが、依然として市場で高い人気を誇っている」という事実。通常の市場であれば、新モデルが出れば旧モデルの存在感は薄れていくもの。ところがGR IIIxは、むしろ“選ばれ続けている”という状況にあります。むしろ新品は依然として完売状態で、僕も昨年は新品に近い良い状態の中古で購入しました。
今回はその理由を、最新モデルとの違いも含めてじっくり掘り下げていきたいと思います。

GRシリーズの系譜とIIIxの立ち位置

GRシリーズは長年にわたり「高画質をポケットサイズに」を掲げてきました。フィルム時代から愛されたGR1に始まり、デジタル時代ではGR DIGITAL、そしてAPS-Cセンサーを積んだGRへと進化。その中でもGR IIIxは、40mm相当という新しい画角を与えられた特別な存在です。
従来のGR IIIが28mmという広角で「街を広く切り取る」カメラだったのに対し、GR IIIxはより人間の視界に近い40mmを選びました。この選択が、多くのフォトグラファーに「被写体との距離感を自然に作り出せる」と評価されました。僕自身もこの画角に惹かれたひとりで、日常のスナップだけでなく旅先でも安心して任せられる一本になりました。
GR IVの登場とその進化

一方で2025年に登場した最新のGR IVは、確かに魅力的な進化を遂げています。画素数は24MPから26MPへ。画像処理エンジンも新世代の「GRエンジン7」へと刷新されました。さらにレンズも新設計となり、描写力が向上。加えて、5軸手ブレ補正が採用されたことで、夜景や暗所での撮影にも安心感が増しました。
また、内蔵ストレージは従来の2GBから一気に53GBへと拡張。これはスマートフォンに近い感覚で「カードを挿し忘れても安心して撮れる」という大きな進歩。
こうした進化を見ると、当然「GR IVこそ買うべき最新機種」と思われるかもしれません。しかしながらここで注目すべきは価格です。GR IIIxが10数万円前後で入手できるのに対し、GR IVは約20万円前後。単純に価格差が大きいだけでなく、「進化の方向性が自分に必要かどうか」という視点が問われるようになってきています。

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GR IIIxとGR IVの比較
ここで分かりやすく整理するために、主要な違いを表にまとめてみました。
項目 | RICOH GR IIIx | RICOH GR IV |
---|---|---|
発売時期 | 2021年 | 2025年 |
センサー | APS-C 24.2MP | APS-C 26MP |
画像処理エンジン | GRエンジン6 | GRエンジン7 |
レンズ | 40mm相当 f/2.8(新設計前) | 40mm相当 f/2.8(新設計) |
手ブレ補正 | 3軸手ブレ補正 | 5軸手ブレ補正 |
内蔵ストレージ | 2GB | 53GB |
サイズ感 | 同等 | 同等 |
市場価格 | 139,800円(税込) | 194,800円(税込) |
この比較を見てみると、GR IVの進化は確かに着実です。けれども、撮影体験そのものが根底から変わるわけではなく、むしろ「GR IIIxの完成度が最初から高い」ことを改めて実感させられます。
僕がGR IIIxを使い続ける理由

僕がIIIxに惹かれるのは、上記の表の通り最新機種と比較しても「不足感をほとんど感じない」からです。確かに5軸手ブレ補正は羨ましい機能ですが、スナップを主体にしている僕にとっては、現行モデルで十分。むしろ「手ブレを抑えすぎない」ことが、写真に自然なライブ感を与えてくれています。
また、53GBものストレージは安心感がありますが、実際にはSDカードを使う習慣が根付いているので大きな問題ではありません。それよりも「本体サイズが変わらない」「電源ボタンを押してシャッターチャンスを逃すことなく、レスポンスが速い」「操作がシンプル」というGR IIIxの特長が、今もなお手放せない理由です。
そして最大の魅力はやはり画角です。28mmに比べて40mmは一歩踏み込んだ距離感を作り出し、人物を撮るにも街角を切り取るにも程よい。撮りたいものに対して余計な迷いを感じさせない。これが、IIIxを選び続ける人が多い理由ではないでしょうか。

GR IVが気になる人へ

もちろん、GR IVの進化は見逃せません。夜景や暗所をよく撮る人、動画撮影を多用する人にとって、手ブレ補正は強力な味方になります。さらに、センサーやエンジンの進化は、今後のファームウェアアップデートによって機能拡張の余地を広げてくれるはず。ただし、写真を「日常の一部」として楽しむ人にとっては、GR IIIxの完成度で十分だと思います。むしろ価格差を考えると、その分を旅や体験に使ったほうが、GRらしい「ライフログ」としての価値をより実感できるのではないでしょうか。最新モデルのGR IVは確かに魅力的ですが、GR IIIxの“相棒感”はいまだ健在。コストパフォーマンスと日常に馴染む使用感を重視するなら、まだまだGR IIIxが最適な選択肢になります。
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