
ここ数年、ジムやフィットネス施設に通う社会人の姿が確実に増えました。
仕事帰りにスーツ姿の人がウェアに着替えてベンチプレスをしていたり、休日にランニング感覚でトレーニングを楽しんでいたり。
以前は「一部の意識高い人の習慣」だった筋トレが、今では多くの人にとって日常の一部になりつつあるように感じます。
なぜ社会人は筋トレを始めるようになったのか。
その背景には、リモートワークの普及/SNSによる可視化/サウナブーム/自己投資としての認識という4つの大きな流れがあると思います。

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リモートワークで生まれた「体を動かしたい」欲求

コロナ禍を経てリモートワークが広がり、通勤がなくなったことで生活から自然な運動が消えました。
以前は駅までの徒歩や階段移動、オフィス内での小さな移動が運動代わりになっていましたが、在宅勤務では一日中椅子に座りっぱなし。
体を動かす機会が激減したことで、腰痛や肩こり、倦怠感に悩まされる人が増えました。
こうした不調を解消するために、多くの社会人が筋トレに目を向けました。
筋トレは短時間でも効果が出やすく、自宅や近所のジムで手軽に取り組めるのが強み。
限られた時間を有効に使いながら、運動不足を解消できる習慣として受け入れられました。
筋トレ系YouTuberやInstagram発信者の影響

次に大きな役割を果たしたのは、SNSの存在です。YouTubeやInstagramでは、筋トレ系インフルエンサーが増え、初心者向けのメニューや食事管理、プロテイン活用法などが発信されるようになりました。
- 「今日から始められる5分筋トレ」
- 「3か月で体がここまで変わる」
- 「社会人が仕事帰りにできるルーティン」
こうした具体的な情報は、筋トレを“特別なもの”から“誰でもできる習慣”に変えました。
さらに、フォロワーの変化やコミュニティでの交流が「自分もやってみよう」という動機づけにつながっています。
また、体が変わることで自信が持てるようになり、
「自己肯定感を高めたい」
「かっこよくなりたい」
「清潔感をもたせたい」
というシンプルな欲求を満たす方法としても注目されました。
SNSが筋トレの“見える化”を促し、社会人の新しい習慣を後押ししたのではないでしょうか?
サウナブームと「見られる身体」への意識

サウナブームも、社会人の筋トレ人口を押し上げました。サウナはリラックスの場であると同時に、友人や同僚と過ごす社交の場。館内着や水着姿になるシーンでは、自然と身体のラインが話題になります。
「最近トレーニングしてる?」
「プロテインはどれを飲んでる?」
「体が変わった?」「あの人の体でかいな」
そんな会話がサウナをきっかけに生まれ、筋トレは共有できる趣味へと変わっていきました。
また、サウナで整う体験と筋トレ後の爽快感は似ている部分があり、互いを補完し合う関係性にあります。
さらに、サウナを通じた食事で栄養・プロテインを意識する人も増えました。サウナと筋トレ、食事管理の三位一体が、“整えるライフスタイル”として広がりを見せています。
筋トレは「効率のよい自己投資」になった
社会人にとって筋トレが広がった最後の理由は、これが最も効率の良い自己投資であることです。
- 週2〜3回でも体型や体調に変化が現れる
- 猫背などの姿勢が変わったり、疲れにくさなど、仕事のパフォーマンスが上がる
- 健康診断の数値改善やストレス軽減にもつながる
- 睡眠の質も上がり寝付きが良くなる
- 体と自分の心に自信がつく
筋トレは短期間で成果が目に見えやすく、社会人の「限られた時間の中で効果を出したい」というニーズにぴったりでした。
さらに、ジム業界やフィットネスアプリの発展により、24時間ジムやオンラインサービスを使って隙間時間でトレーニングできる環境も整いました。
資格取得や語学勉強、ブログといった投資も大切ですが、筋トレは「今日から始めて1か月後には変化を感じられる」という即効性が魅力。
これが社会人にとって継続のモチベーションとなり、筋トレ文化を定着させています。

社会人の筋トレは“整える”ライフスタイルの一部へ

社会人が筋トレを始める理由を振り返ると、
- リモートワークで運動不足が深刻化し、体を動かす必要性が高まった
- SNSの普及で、始めやすく続けやすい情報が手に入るようになった
- サウナブームで「見られる身体」や仲間との会話がモチベーションになった
- 短期間で成果が出やすく、効率的な自己投資として注目されるようになった
筋トレはもはや一部の趣味ではなく、社会人の新しい生活習慣として根づいています。
仕事に追われる日々の中で、自分を整え、自信を持ち、未来への投資になる。
それが「筋トレをする社会人」が増えている最大の理由だと思います。
体が変わると、姿勢が変わり、服の着こなしが変わり、目線も上がる。自分に対する納得感が少しずつ積み上がっていく。
仕事のストレスフルな毎日に、静かな揺れ戻しをつくるのが筋トレなのだと思います。
最初の一回は軽くていい。10分でもいい。今日の小さな選択・習慣が、来月・来年の自分を助けてくれます。社会人の筋トレが増えた理由は、結局のところ「みんなそれに気づき始めたから」。
働き方と暮らし方の両方をよくするための、「いちばん目に見える」確かな近道です。
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